ザッケローニ サッカー日本代表監督 2013.12.16

2014年ブラジル大会

Alberto Zaccheroni, Coach, Japan national football team
サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が会見し、2014年W杯ブラジル大会一次リーグで対戦するコロンビア、ギリシャ、コートジボワールについて、それぞれのチームへの評価など、記者からの質問に答えた。
司会 別府育郎 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)
通訳 矢野大輔
日本サッカー協会ホームページ
http://www.jfa.or.jp/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2013/12/r00026607/

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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2014年1月号に掲載)

正直者ザックの笑顔と悪相

エスニック(国民性)ジョークでは、たいていのイタリア人がしゃれ者で女性好きで、どこかいいかげんに描かれる。

わがサッカー日本代表のザッケローニ監督は、およそそうしたイタリア人のイメージからは程遠い。会見でも、終始紳士的で、柔和で、丁寧に慎重に言葉を選んで、全ての質問に答え続けた。

日本人の特性について聞くと「学ぶ姿勢、学んだことを表現する姿勢に特筆すべきものがある。それこそが日本サッカーの成長の一番の要因ではないか。日本サッカー協会は2050年までに世界一になる目標を持っているが、それ以前に達成する可能性がある」と答えた。この日、最大のリップサービスだったろう。

では14年の可能性は、と問えば「私は何も宣言はしない」と慎重な答えに戻ってしまう。最後には「それは私の後の人の仕事になるだろう」と口にした。ワールドカップブラジル大会での優勝は、まだ無理ということだ。あまりに正直、あまりに誠実。はったりは、かけらもない。

ちなみに日本人の特性で負の部分は、「無理に探して1ついえば、失敗を犯したときに落ち込み過ぎること」だと言う。納得である。歴代の外国人代表監督でも、最も日本人を理解した1人ではないか。

言葉の違いに苦労したことはないかと問われ、日本サッカー協会の通訳、矢野大輔さんを絶賛した。これに矢野さんが照れて途中で通訳を打ち切ると、監督は、いたずらがうまくいった子どものような笑顔をみせた。良好な関係性を象徴するシーンだった。

もっとも試合中は目がつり上がり口が曲がり、人が変わったような悪相となる。こちらが勝負師としての、本来の顔なのかもしれない。

企画委員 産経新聞論説委員室論説副委員長
別府 育郎

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