本田圭佑 W杯語る 個ではない 2014/5/31 インタビュー

2014年ブラジル大会

本田圭佑 W杯語る 2014/5/31 インタビュー
◆国際親善試合 日本―コスタリカ(2日、米フロリダ州タンパ、レイモンド・ジェームス・スタジアム)

 本田に自信とオーラが戻ってきた。サッカー日本代表は5月31日、当地で合宿2日目の練習を行い、FW本田圭佑(27)=ACミラン=が同21日の日本帰国後初めて取材に対応。予定時間を大幅に超える15分間の”独演会”を行い、自身が持ち続けている「根拠のない自信」の必要性を力説した。日本は2日(日本時間3日)、ブラジルW杯に出場するコスタリカと国際親善試合で対戦する。

 本田の口からW杯への熱い思いがあふれ出てきた。予定された取材時間はテレビ、ペン合わせて15分間。しかし、最初のテレビで14分、ペンでも15分と倍近くしゃべり続けた。日本協会スタッフがストップをかけた後も、追加の質問に丁寧に応対した。「こういう状況になってくると逃げ道がないわけですから。自分でも想像できない強さを出せることを楽しみにしているんです」

 今季1月に加入したACミランではリーグ戦1得点。終了後には「6~7点は取れると思っていたので達成度は6分の1。来年もこうならサッカーをやめたほうがいいような数字」「個では個にトライしても、たった4年間では通用しない」など弱気なコメントが見られた。5月27日のキプロス戦でも精彩を欠き、不振を引きずったまま。しかし、もう過去は振り返らない。

 南アW杯後の4年間で、今が一番リラックスしていると明言した。その理由に「根拠のない自信」を挙げた。「自信には、根拠のある自信と根拠のない自信の2種類があるんです。根拠のある自信は自分が頑張ったから得られる自信で、このチームにはある。根拠のない自信というのは、なぜそんなに自信があるのか分からない。身内でさえも自分に対してそう思う、自分でも驚くぐらいの自信。大きな成果を上げる時には、こういうものを持った人がチームに1人、2人は必要なのかと思いますね」

 その自信は小学生のころから備えていた。大阪・摂津FCでは4年生ながら上級生チームに選ばれた。迎えた初戦。同時に選ばれた西村直也さんが緊張する様子を見て「俺たちが何で選ばれているか知っているか? できるから選ばれてるんだ。頑張ろう」と声をかけた。同級生を気遣い、上級生にも臆せず仕切った。「小学生とは思えないくらい落ち着いていました。視野がむちゃくちゃ広かった」と西村さん。根拠がなくとも説得力はあった。

 練習直前にスコールがやみ、34度まで気温が上昇した合宿2日目は、晴れやかな表情でボールを追った。先発が濃厚な2日のコスタリカ戦は正念場。重視するのは、チーム全体が「自然体で自信を持つ雰囲気」だ。自らの決勝ゴールでカメルーンを1―0で下した南アW杯の初戦でも感じられたという。「人生でもなかなか巡り合える瞬間ではない。そういう時は結果が出ている瞬間なのかなと感じている。追い求めていきたい」。コートジボワール戦まであと2週間、4年分の成長を見せる戦いは最終局面に入った。

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